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【読者質問に回答】5軸マシニングセンターの「自動化システム」とは?具体的な設備と導入効果を解説

自動化
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読者様からご質問をいただきました

先日公開した

「5軸マシニングセンター導入ガイド:成功するためのポイントと最新技術」

の記事について、読者様よりメールをいただきました。

記事内の「設備の稼働率が低い場合は自動化システムを追加する」という部分について、具体的にはどのような設備を指すのでしょうか?

可能であれば製品名なども教えてください。

ご質問ありがとうございます。

確かに「自動化システム」と一言で言っても、その内容は非常に幅広く、工場の規模や生産形態によって最適な設備は異なります。

今回は、実際の製造現場で導入されている代表的な自動化設備と、その効果についてご紹介したいと思います。


稼働率向上の本質は「機械を止めないこと」

まず最初にお伝えしたいのは、

機械の稼働率を下げている原因は加工そのものではない

ということです。

実際には、

  • ワーク交換
  • 段取り
  • 原点出し
  • 工具交換
  • 工具補正
  • 寸法測定
  • 材料待ち

などによって機械が停止しています。

特に多品種少量生産の現場では、加工時間よりも段取り時間の方が長いケースも珍しくありません。

つまり自動化とは、

「加工を速くすること」ではなく「機械を止める時間を減らすこと」

なのです。


① パレットチェンジャー

最も投資対効果が高い自動化設備の一つです。

代表的な製品

  • DMG MORI PH Cell
  • DMG MORI PH150
  • Fastems FPC
  • EROWA MTS
  • System 3R WorkPartner

どんな設備?

加工中に次のワークを段取りしておき、加工終了後に自動で交換する仕組みです。

従来は、

  • 加工終了
  • ドアを開ける
  • ワーク交換
  • 芯出し
  • ドアを閉める

という作業で10~20分停止していました。

パレットチェンジャーを導入すると、数秒から数十秒で交換が完了します。

導入効果

例えば

  • 加工時間:120分
  • 段取り時間:15分

の場合、

従来は135分で1サイクルですが、

パレット化すると実質121分程度で運転できます。

機械の停止時間を大幅に削減できるため、多品種少量生産との相性も良好です。


② ロボットによるワーク搬送

近年急速に普及している自動化設備です。

代表的な製品

  • DMG MORI WH Cell
  • FANUC Robot Cell
  • EROWA Leonardo
  • Fastems MMS

どんな設備?

ロボットが

  • 素材投入
  • 完成品取り出し

を自動で行います。

導入効果

夜間無人運転が可能になります。

例えば昼間8時間しか稼働していなかった設備でも、

夜間16時間運転できれば理論上の設備能力は約3倍になります。

ただし、多品種少量工場ではロボットよりも先に段取り改善を行った方が効果が大きいケースもあります。


③ 工具測定機

意外と見落とされがちな自動化設備です。

代表的な製品

  • Renishaw NC4+
  • Blum LaserControl

自動で行う内容

  • 工具長測定
  • 工具径測定
  • 摩耗補正
  • 工具折損検知

を自動で実施します。

導入効果

従来はオペレーターが測定して補正値を入力していましたが、自動化することで人待ち時間を削減できます。

夜間運転では特に効果を発揮します。


④ ワーク自動測定(プローブ)

5軸マシニングセンターとの相性が非常に良い設備です。

代表的な製品

  • Renishaw OMP40
  • Renishaw OMP60
  • Blum TCシリーズ
  • HEIDENHAIN TSシリーズ

自動で行う内容

  • 原点設定
  • ワーク位置確認
  • 加工後測定
  • 補正値フィードバック

などを自動化できます。

導入効果

多品種少量生産では特に有効です。

例えば毎回10分かかる芯出し作業が2分になるだけでも、年間で考えると非常に大きな時間削減になります。


⑤ 工具折損監視

夜間無人運転を行うなら必須と言える設備です。

例えば、

ドリルが折損

そのまま加工継続

大量不良発生

翌朝発見

というトラブルは実際によくあります。

工具測定機やレーザー測定機を利用して、

  • 工具有無確認
  • 工具長確認
  • 工具径確認

を行い、異常時には自動停止させます。

不良流出防止に非常に有効です。


⑥ 工具摩耗予測システム

近年注目されているのが、

工具の交換時期を予測するシステム

です。

その代表例が三菱電機の

FAアプリケーションパッケージ「工作機械工具摩耗診断」

です。

どんなシステム?

工作機械から取得した

  • 主軸負荷
  • サーボ負荷
  • 電流値
  • 加工履歴
  • 加工時間

などのデータを解析し、

工具の摩耗状態を推定します。


従来は

  • 100個加工したら交換
  • 加工時間2時間で交換

など経験則による管理が一般的でした。

しかし実際には、

  • 材料ロット差
  • 工具ロット差
  • 加工条件差

によって摩耗速度は大きく変化します。

導入メリット

工具寿命の有効活用

まだ使える工具を早めに交換してしまう無駄を減らせます。

品質安定化

工具摩耗による

  • 面粗さ悪化
  • バリ発生
  • 寸法変化

を未然に防ぐことができます。

無人運転との相性が良い

夜間運転では人が工具状態を判断できません。

そのため、

  • 工具摩耗予測
  • 工具折損検知
  • 自動補正

を組み合わせることで長時間安定稼働が可能になります。

注意点

非常に優れたシステムですが、

多品種少量生産では学習データが集まりにくく、十分な効果が得られない場合もあります。

一方で、

量産加工やリピート品が多い工場では非常に効果的なシステムです。


⑦ CAM自動化

近年急速に進化している分野です。

従来は

図面

CAM作成

NC出力

という流れでしたが、

自動化システムでは

図面

NC自動生成

という運用も現実的になりつつあります。

特に類似部品や量産部品では非常に高い効果を発揮します。


私なら何から導入するか?

多品種少量工場であれば、

① プローブ測定
② 工具測定機
③ パレットチェンジャー
④ ロボット搬送
⑤ CAM自動化

の順番がおすすめです。

まずは、

測定と段取りの自動化

から着手する方が投資対効果は高いケースが多いでしょう。


まとめ

「自動化システム」と聞くとロボットをイメージする方が多いと思います。

しかし実際の現場では、

  • プローブ
  • 工具測定機
  • パレットチェンジャー
  • 工具摩耗診断システム

といった比較的小規模な自動化設備の方が、大きな効果を生むケースも少なくありません。

私自身、多くの加工現場を見てきましたが、

まずは「人が行っている測定と段取りを減らすこと」が、自動化成功への第一歩だと感じています。

ご質問ありがとうございました。

今後も読者の皆様からいただいたご質問には、できる限り記事で回答していきたいと思います。

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