鋼材や機械要素規格、嵌め合い公差や普通公差表をネットやJISハンドブックで調べるのはめんどくさい
H7の公差やJISねじ規格、有効径…すぐに答えられますか?
加工現場でよく聞かれる質問の一つに、こんなものがあります。
- 「Φ30mmH7の公差はどれくらいだっけ?」
- 「M30のおねじ有効径っていくら?」
図面にH7の公差が記載されていなかったり、JISねじ規格を即答できない場面は、加工現場では珍しくありません。
JISハンドブックやウェブ検索で調べられるけれど…
確かに、以下の方法で必要な情報を見つけることができます。
- JISハンドブックを見る
公差やねじ規格について、すべて網羅されています。しかし、- 分厚くて扱いづらい
- 値段が高い(購入をためらう方も多い)
- インターネットで検索する
日本産業調査会のウェブサイトなどで、JIS規格を検索可能です。ただし、- 毎回検索するのが面倒
- 必要な部分を見つけるのに時間がかかることも
機械要素だけで1冊です、この他ネジなどは別なので、揃えるとボリューム満点
現場で使える便利帳を自作する方法も?
加工現場では、一部の作業者が必要な公差やねじ規格を抜粋して「便利帳」を自作している場合もあります。この方法は非常に効率的ですが、作成には時間と手間がかかるため、すべての人が真似できるわけではありません。
ポケットサイズの便利帳【マシナリーメイト】
懐かしの「マシナリーメイト」、加工現場の必須アイテムだった!
昔、加工現場で重宝していたツールのひとつに「マシナリーメイト」がありました。機械屋さんや工具屋さんが年末になると配布してくれる、小さな便利帳です。
マシナリーメイトの内容と魅力
「マシナリーメイト」には、加工現場でよく使う情報がぎゅっと詰まっていました。例えば…
- JISねじ規格や材料の基本データ
- 公差表や寸法データ
- 必要なところだけを抜粋してまとめたシンプルな構成
まさに「現場で使える」情報が満載で、加工や設計の確認時にすぐ取り出せる便利さがありました。特にスマホやインターネットがまだ普及していない時代では、これ一冊が頼れる味方だったのです。
最近は見なくなった「マシナリーメイト」
毎年の恒例として楽しみにしていた「マシナリーメイト」ですが、ここ最近は配られる機会がめっきり減りました。もしかすると、もう製作されていないのかもしれません。
最後に手にしたのはかなり前のもの。1995年頃の版を愛用していましたが、後輩に譲った記憶があります。今でも現場で役に立っているのかもしれませんね。
内容はよく利用するJISの抜粋、後ろのほうは機器メーカーの広告
毎年表紙の色がちがいます
ポケットサイズなので現場で使うのにちょうど良いのですが、
現在はどこの工具屋・機械屋も配っていないようです
マシナリーメイトに変わる同等品を発見
マシナリーメイトの代わりに「めっちゃ使える!機械便利帳」が登場!
昔から加工現場で愛用されていた「マシナリーメイト」。最近では手に入りづらくなりましたが、同じように使える便利帳として、日刊工業新聞社から発行されている「めっちゃ使える!機械便利帳」があります。
「めっちゃ使える!機械便利帳」の特徴
「めっちゃ使える!機械便利帳」は、その名の通り加工現場で役立つ情報がぎっしり詰まった1冊。特徴は次の通りです:
- マシナリーメイトとほぼ同じ内容
公差表、JISねじ規格、材料情報など、必要な情報が一通り揃っています。 - 広告が無い分、薄くてコンパクト
持ち運びがしやすく、机の引き出しや工具箱にすっきり収まるサイズ感です。
広告が無い点が地味に便利で、必要な情報を探しやすい構成になっています。
現場とデスクで使い分け
私の場合、現場では「マシナリーメイト」を愛用し、デスクワークでは「めっちゃ使える!機械便利帳」を使っています。
理由はシンプルです。
- 現場では頑丈な「マシナリーメイト」が最適。
- デスクワークでは薄くてコンパクトな「めっちゃ使える!機械便利帳」が快適。
作業環境や用途に応じて使い分けることで、効率よく必要な情報にアクセスできます。
設計や図面描くときは物足りないので「JISにもとづく機械設計製図便覧」こちらがおすすめです、より内容が濃いです
工場に1冊あればいいですね
JISの検索「日本産業標準調査会ウェブサイト」