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第1回:マクロプログラムとは?基本の理解

NCプログラム
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マクロプログラムは、CNC(コンピュータ数値制御)マシニングセンターで柔軟な加工を可能にする高機能なプログラミング手法です。ファナックNC搭載機では、この機能を活用することで、従来のGコードでは実現しにくい作業の自動化や効率化が実現できます。ここでは、マクロプログラムの概要とその役割を初心者向けに解説します。


マクロプログラムとは?

マクロプログラムは、数値制御(NC)のためのスクリプト言語のようなものです。通常のGコードに加えて、条件分岐、繰り返し処理、変数の使用が可能になり、加工の柔軟性を大幅に向上させます。

  • 特徴
    • 汎用性:同じプログラムで異なる部品加工が可能
    • 自動化:条件に応じた動作の変更や繰り返し処理
    • エラー防止:加工内容の検証や異常検出の実装

マクロプログラムの基本的な機能

  1. 変数の使用
    • プログラム内で数値を保持する「変数」が利用可能です。これにより、汎用的なプログラムの作成ができます。
    • 例: #100 = 10 (変数#100に値10を代入)
  2. 条件分岐
    • 加工条件によって動作を変更することができます。
    • 例: IF[#100 GT 0] GOTO 10 (#100が0より大きければ行10にジャンプ)
  3. 繰り返し処理
    • 同じ作業を何度も繰り返すプログラムが簡単に書けます。
    • 例: WHILE[#101 LE 5] DO1(#101が5以下の場合、ループを実行)
  4. 計算機能
    • 四則演算だけでなく、三角関数や平方根なども使用可能です。
    • 例: #103 = SIN[#102] (#102のサイン値を#103に代入)

通常のGコードとの違い

項目通常のGコードマクロプログラム
柔軟性固定的な動作条件に応じた動作変更
効率部品ごとに個別作成使い回し可能
自動化手動で設定変更自動で設定変更
エラー防止手動確認自動検証

マクロプログラムの適用例

以下のような加工で特に有効です。

  1. 穴あけ加工
    同じパターンで複数の穴を開ける際に、変数で位置を指定し、1つのプログラムで対応。
  2. 加工後の寸法測定と補正
    主軸プローブを使用し、加工後に寸法を測定して補正を行う。
  3. NG判定と再加工
    寸法が許容値を超えた場合に自動でNG処理を実行、再加工やアラートを出す。

次回予告

次回は、「基本構文とコマンドの解説」です。マクロプログラムを書くために知っておきたい変数や演算子、条件分岐の基本を具体例とともにご紹介します。


シリーズを通じて、実際に使えるプログラム例もお届けしますので、お楽しみに!

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